ChatGPT Pro 料金に付く月最大500ドルのAPIクレジット。対象と条件

OpenAIが、ChatGPTのProとBusinessの契約者に、APIの利用枠を月最大500ドル分付与すると報じられています。ChatGPT Pro 料金の月額と同額分のクレジットが付くなど、アプリやAIエージェントの開発費用の一部を支える内容です。

ただ、Proは3段階、Businessは席の種類別と、プランによって額が異なります。使えない用途や受け取りの条件、失効のルールもあるため、「自社の契約でいくら使えるのか」が分かりにくいという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、次の点を整理します。

  • ChatGPT Pro・Businessのプラン別のクレジット額と、対象・対象外のプラン
  • 受け取りの条件と、クレジットで払えるもの・払えないもの
  • あわせて報じられたPro 200の利用枠引き下げ撤回の内容
  • 日本企業・開発チームにとっての意味(解釈)と、まだ確認できていないこと

AI・DXの推進を担当する方は、ぜひ最後までご覧ください。

なお、OpenAI公式の本文は確認できておらず、本記事はITmedia、gihyo.jp、PC Watchなどの報道に基づいています。事実と解釈は分けて書きます。

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ChatGPT Pro・Businessに月最大500ドルのAPIクレジット。発表の概要

まず、何が発表されたのかを確認します。

発表の概要

ITmediaは、OpenAIが10月28日(現地時間)に、ChatGPTのProおよびBusinessプランへ、同社のAPIを利用できる特典を追加すると発表したと報じています。付与されるのは月最大500ドル分(約7万9000円、1ドル158円換算)の利用枠で、アプリやエージェントの開発に使えるとされています。

発表日、付与額、対象プラン、Pro 200の枠引き下げ撤回、Pro 100・500の利用枠2倍の4点をまとめた図解

図解:報じられている変更点の全体像

「クレジット」とは何を指すのか

ここでいうクレジットとは、API利用料の支払いに充てられる前払いの利用枠です。付与は請求期間ごとで、API側では無料分の残高として扱われると報じられています。

ChatGPT Pro 料金とAPIクレジット額の早見表

次に、自分の契約でいくら分のクレジットが付くのかを、プラン別に確認します。

ChatGPT Pro 料金の3段階と、同額のクレジット

gihyo.jpは、Proの月額100ドル、200ドル、500ドルの各プランに、それぞれ月100ドル、200ドル、500ドル分を付与すると報じています。つまり、月額料金と同額のクレジットが付く形です。

ChatGPT Business 料金とシート別のクレジット

Businessは、シートの種類によって額が変わります。シートとは、契約している利用者1人分の席のことです。ITmediaは、Standardシートで1席につき月20ドル分、Premiumシートで1席につき月100ドル分、ただし1ワークスペースの上限は月500ドル分と報じています。ワークスペースとは、組織がまとめて使う契約の単位のことです。

BigGoの報道では、上限の500ドル分に達するのは、Standardシートなら25席、Premiumシートなら5席の場合と計算されています。年払いのBusinessでは、年間最大6,000ドル分を一括で受け取ると、gihyo.jpが報じています。

プラン付与されるクレジット補足
Pro(月額100ドル)月100ドル分月額と同額
Pro(月額200ドル)月200ドル分月額と同額
Pro(月額500ドル)月500ドル分最大額
Business Standardシート1席あたり月20ドル分25席で上限に到達
Business Premiumシート1席あたり月100ドル分5席で上限に到達
Business ワークスペース上限は月500ドル分年払いは年間最大6,000ドル分を一括

この表から読み取れるのは、Proは月額と同額、Businessは席の数と種類で決まり、組織全体の上限が月500ドル分という点です。席を増やしても、上限を超える分は付きません。

なお、500ドルの円換算は報道によって異なります。ITmediaは約7万9000円(1ドル158円換算)ですが、約7万7,500円とする報道もあるため、円での金額は目安として見てください。

ChatGPT プラン 違い。対象になるプランと受け取りの条件

次に、自分の契約が対象なのか、どんな条件で受け取れるのかを見ていきます。

対象になるプランと対象外のプラン

同じChatGPTの有料プランでも、対象になるものとならないものがあります。ITmediaは、無料プランと、Go、Plus、Enterprise、Eduプランは対象外と報じています。対象は、ProとBusinessの2つです。

BigGoは、対象外の範囲として、無料トライアルと旧版のCodexシートも挙げています。自社の契約が対象かどうかは、契約元の表示で確かめるのが確実です。

受け取りの条件と手順

報道によると、受け取りには次の条件を満たす必要があります。

  1. 有料契約の開始から7日以上が経過していること(gihyo.jp)
  2. ChatGPTアカウントとAPIアカウントに、同じメールアドレスでログインすること(ITmedia)
  3. 請求設定から、特典を有効にすること(ITmedia)
  4. 初回の付与額が、有効にした時点の請求期間の残りに応じた日割りになると理解しておくこと(gihyo.jp)

日割りのため、請求期間の途中で有効にすると、初回の付与額は満額より少なくなります。これは、月払いも年払いも同じだと報じられています。

特典を受け取るまでの流れ。対象か確認、同じメールで、請求設定で有効化、初回は日割り付与の順に並べた図解

図解:受け取りまでの流れ

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APIクレジットで払えるもの・払えないもの。ChatGPT API 料金との違い

次に、受け取ったクレジットを何に使えるのかを確認します。あわせて、よく混同されるChatGPTの契約とAPIの違いも、用語から整理します。

クレジットで払えるもの

gihyo.jpによると、クレジットは次のAPI利用料に充てられます。

  • テキスト処理
  • エージェントの実行
  • 音声対話
  • 画像生成・編集
  • Web検索などの組み込みツール

組み込みツールとは、APIの機能としてあらかじめ用意されている道具のことです。例えば、AIが回答を作る途中でWeb検索を行わせる使い方が、これにあたります。

クレジットで払えないもの

一方で、APIキー経由のCodex利用には使えません。Codexは、コードの作成や修正をAIに任せられるOpenAIのツールです。また、ChatGPTや、ログインして使うCodexの利用上限も、この特典では増えないと報じられています。

つまり、この特典はChatGPTを使える量を増やすものではなく、プログラムからAPIを呼び出す費用に充てる枠です。

失効と残高の扱い

未使用分は請求期間の末に失効し、翌月に繰り越せません。さらに、無料分と購入済みの残高の両方がなければ、APIの呼び出しはエラーになると、gihyo.jpは報じています。

特典の枠を使い切ったあとも続けるには、別途の残高が必要です。ChatGPT API 料金にあたるAPI側の単価は、今回の報道には含まれていません。

OpenAI API 料金とChatGPT 料金は別物。用語の整理

  • ChatGPTの契約:ChatGPTを使うための月額プランです。Pro、Business、Plusなどがあります。
  • API:プログラムから、OpenAIのAIモデルを呼び出す仕組みです。自社のアプリやエージェントにAIの機能を組み込むときに使います。
  • APIキー:APIを呼び出すときに、利用者を確認するための文字列です。
  • クレジット:API利用料の支払いに充てられる利用枠です。今回の特典では、ProとBusinessの契約に付きます。

OpenAI API 料金は、ChatGPTの月額とは別に、APIを使った分で計算されます。今回の特典は、この2つの間をつなぐ仕組みです。

ChatGPT API 使い方。受け取りから使い始めまで

PC Watchによると、OpenAIは、APIキーの作成や最初のプロジェクトの開始を支援する「OpenAI Developers」プラグインを案内しています。ChatGPTまたはCodexにインストールして使うものです。

前の節の条件を確認して請求設定から特典を有効にしたあと、APIキーを作成し、最初のプロジェクトを始めてAPIを呼び出す、という順です。

クレジットは、API用の支払い方法を登録しなくても利用できると、gihyo.jpは報じています。そのため、支払い方法の登録なしに小さく始められる点が、今回の特典の特徴です。

ChatGPT Pro 200の利用枠引き下げ撤回。何が変わり、何が変わらないか

次に、あわせて報じられているPro 200の利用枠の話に移ります。

背景。20倍から10倍への引き下げ案

kingy.aiは、以前の告知では、Pro 200のWorkとCodexの利用枠が、Plusの20倍から10倍に下げられる予定だったと報じています。対象の既存顧客は、10月29日まで一時的に保護されていたとされています。

BigGoは、この引き下げと、月額500ドルのPro 500プランの投入が、開発者コミュニティで不満を招いていたと伝えています。報道ではWorkとCodexの利用枠と表記されており、Workが何を指すかの詳しい説明はありません。

撤回後の扱い

kingy.aiは、OpenAIがPro 200の利用枠引き下げを撤回したと報じています。OpenAIが更新したProプラン向けガイドで、10月29日に確認されたとされています。

プラン報じられている扱い
Pro 100WorkとCodexの利用枠が従来の2倍
Pro 200(低い枠だった契約)2倍にして、高い枠に揃える
Pro 200(既に高い枠だった契約)その枠を維持。さらなる倍増はない
Pro 500WorkとCodexの利用枠が従来の2倍
Plus変更なし

新規の契約者には更新された枠が適用され、既存の契約者にも、更新を待たずに自動で適用されると報じられています。

よくある誤解。「全プランの上限が2倍」ではない

「全ティアの上限を2倍」という表現は、報道の内容と一致しません。倍増したのはPro 100とPro 500で、Pro 200は枠を揃える形、すでに高い枠だった契約は維持です。Plusは変更されていません。

また、撤回や倍増のあとの具体的なメッセージ数や上限値は、報道では示されていません。kingy.aiも、新たに公表された固定のクォータではないと述べています。

利用枠とAPIクレジットの違い

Pro 200などの利用枠は、ChatGPTやCodexをどれだけ使えるかの上限で、APIクレジットはAPIを呼び出す料金に充てる枠です。前の節のとおり、クレジットでChatGPTの利用上限は増えません。

Claude Max APIクレジットと、ChatGPT Pro 料金の特典の比べ方

次に、競合のAnthropicが先に出していた、同じ種類の特典との比べ方を確認します。

BigGoは、Anthropicが10月初旬に、Claude Haiku 5.5とあわせて、APIクレジットの特典を発表していたと報じています。Claude Max 5xのユーザーには月100ドル、Max 20xのユーザーには月200ドルが付きます。Teamプランは、プール型で共有し、上限は500ドルです。プール型とは、席ごとに配るのではなく、組織全体で1つの枠を共有する方式のことです。

項目OpenAIAnthropic
上位プランPro 100・200・500に、同額の100・200・500ドルMax 5xに100ドル、Max 20xに200ドル
チーム向けプランBusinessは席ごとに20ドルまたは100ドルTeamはプール型で共有
組織の上限1ワークスペースで月500ドル分上限500ドル

表からは、組織向けの上限は両社とも500ドルで、付与の仕組みが席ごととプール型で異なると分かります。

比べるときは、付与の単位、上限の額、使えない用途、失効のルールの4点を見ると整理しやすくなります。これは本記事の解釈です。OpenAIは、APIキー経由のCodexが対象外で、未使用分は請求期間末に失効します。Anthropic側の失効のルールや対象外の用途は報道に記載がなく、4点すべてを横並びで比べることはできません。

ChatGPT Pro 料金の特典は、日本企業のAI活用にどう関わるか(解釈)

ここからは、日本企業や開発チームにとっての意味を、本記事の解釈として述べます。

試作や検証の費用の見方

月最大500ドル分(約7万9000円)は、社内向けのAIアプリや、エージェントの小さな試作に使う費用の一部に充てられる規模だと考えられます。APIの単価は報道にないため、何回の呼び出しができるかは示せません。

失効を前提にした使い方

未使用分は請求期間末に失効します。そのため、月内に試すテーマを前もって決めておかないと、枠を使い切れないまま失効する可能性があります。初回は日割りでもあるため、有効にする時期の見極めも必要です。

契約とアカウントの管理

受け取りには、ChatGPTとAPIで同じメールアドレスを使う必要があります。担当者個人のメールアドレスでChatGPTを契約している場合は、異動したときの引き継ぎまで考えておくとよいでしょう。

特典を前提にしない計画

BigGoは、OpenAIが将来この特典を調整または廃止する余地を、規約に留保していると報じています。そのため、本番で動かすサービスの費用は、特典がない場合の通常のAPI利用料で見積もり、特典は試作や検証の追加枠として扱う進め方が安全だと考えられます。

具体的には、次の順に確認します。これも解釈です。

  1. 情報システム担当が、自社の契約プランと開始日を確認する
  2. 対象プランなら、7日以上の経過と、同じメールアドレスのAPIアカウントを確認する
  3. 開発担当と、今月試すテーマを決め、月末に使った量を翌月の計画へ反映する

ChatGPTのAPIクレジット特典で確認できたこと・できていないこと

最後に、この話題の確かさを整理します。出どころによって、確度が異なるためです。

確認できたのは、ITmedia、gihyo.jp、PC Watchの日本語報道が伝える内容です。付与額、プラン別の額、対象と対象外、受け取りの条件、使える用途と使えない用途は、これらに基づきます。公式の文面は、OpenAI DevelopersのXポストがgihyo.jpとPC Watchの記事内で引用されている範囲にとどまり、公式サイトや公式ドキュメントの本文は取得できていません。

無料・Go・Plus・Enterprise・Eduは対象外、APIキー経由のCodexには使えない、将来の調整や廃止の余地、日本での提供時期などは記載なし、の4点をまとめた図解

図解:対象外と注意点

次の点は、確認できていません。

  • 引き下げ撤回(10月29日)とAPIクレジット特典(10月28日)が、同一の発表かどうか
  • 引き下げの発効日。BigGoは「10月30日発効」、kingy.aiは「10月29日まで一時保護」としており、表現が異なります
  • 対象外のプランの範囲。ITmediaの挙げるプランに加え、BigGoは無料トライアルと旧版のCodexシートも挙げています
  • 撤回や倍増のあとの具体的なメッセージ数や上限値
  • 日本国内での提供時期、提供の可否、税や為替の扱い
  • 撤回の理由についてのOpenAI自身の説明。BigGoの「補償的な措置と見られている」は観測にとどまります

これらは、OpenAIの公式な案内が確認できた時点で、変わる可能性があります。

まとめ

本記事の要点は、次の5つです。

  • OpenAIが、ChatGPTのProとBusinessに、月最大500ドル分のAPIクレジットを付与すると報じられています。ChatGPT Pro 料金の月額100・200・500ドルには、それぞれ同額が付きます。
  • Businessは、Standardシート1席で月20ドル分、Premiumシート1席で月100ドル分で、1ワークスペースの上限は月500ドル分です。
  • 無料、Go、Plus、Enterprise、Eduは対象外です。受け取りには、契約から7日以上の経過と、同じメールアドレスでの有効化が必要です。
  • クレジットは、API利用料に充てられますが、APIキー経由のCodexには使えず、ChatGPTの利用上限も増えません。未使用分は失効します。
  • Pro 200の利用枠引き下げは撤回されたと報じられています。「全プランが2倍」ではなく、Pro 100とPro 500が2倍、Plusは変更なしです。

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参考情報

本記事は、OpenAIの発表を伝えた次の報道記事の内容をもとに、まとめています。

この記事を書いた人

慶應義塾大学で金融工学を専攻。 卒業後はスタートアップのデータサイエンティストとして、AI・データ活用コンサルティング事業などに従事。 その後、株式会社セブン&アイ・ホールディングスにて、小売・物流事業におけるAI・データ活用の推進に貢献。 株式会社リベルクラフトを設立し、AIやデータサイエンスなどデータ活用領域に関する受託開発・コンサルティングや法人向けトレーニング、教育事業を展開。

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