AIエンジニアの年収は平均いくら?厚労省データで徹底解説
「AIエンジニアの年収は?」と調べると、記事によって「600万円」「1000万円」など数字がばらばらで、何を信じればいいのか分からなくなった方も多いでしょう。
求人サイトの統計と公的な統計調査では、そもそも集計の方法が異なります。数字の出どころを整理しないまま比較すると、実態より高く見えたり低く見えたりしてしまいます。
そこで本記事では、
- 厚生労働省の一次統計と求人統計、両方から見たAIエンジニアの平均年収
- スキルレベル・年代・経験年数別の年収レンジ
- データサイエンティストや海外との年収比較
- 年収を上げる5つの具体的な方法
についてわかりやすく解説します。AIエンジニアを目指している方、すでにAIエンジニアとして働いていて年収の相場を確認したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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AIエンジニアの年収は平均600万円台。結論と全体像
まず結論から確認しましょう。AIエンジニアの平均年収は、どの統計を見ても600万円前後です。
求人サイト「求人ボックス」の給料ナビによると、AIエンジニアの仕事の平均年収は600万円、平均時給は1,485円です(2026年7月21日更新)。一方、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、令和7年賃金構造基本統計調査をもとに、AIエンジニアの全国平均年収を609.8万円と公表しています。出どころの異なる2つの統計がほぼ同じ水準に収れんしている点は、数字としての信頼性を裏付けていると言えます。
求人統計と厚労省統計、2つの数字が違う理由
記事によって「1000万円」といった高めの数字が出てくることもありますが、これは主に集計対象の違いによるものです。
- 求人統計(求人ボックス等):企業が求人票に掲載した募集時点の希望額を集計したもの。人気企業や大手の高額求人が目立ちやすい
- 厚労省統計(賃金構造基本統計調査):実際に支給された賃金の実績調査。全国の事業所を対象にした公的統計のため、母集団が幅広い
- 一部メディアが紹介する「1000万円」:海外トップ企業や、特定のハイスキル層に絞った事例であることが多く、AIエンジニア全体の平均とは性質が異なる
「AIエンジニアの年収」という言葉が指す範囲は、未経験1年目から10年以上のベテランまで幅広いため、どの層を見ているかによって数字は大きく変わります。
年収の幅が大きい理由(スキルレベル・企業規模・雇用形態)
AIエンジニアの年収に幅が出る理由は、主に次の3つです。
- スキルレベル:モデルの設計・実装ができるレベルか、既存ツールの運用が中心かで大きく変わる
- 企業規模:大手ほど平均年収が高くなる傾向がある
- 雇用形態:正社員・契約社員・フリーランスで報酬の決まり方が異なる
この3つの軸それぞれの具体的な数字は、次の章以降で詳しく見ていきます。
厚生労働省の統計で見るAIエンジニアの年収データ
全体像が分かったところで、本記事の軸となる厚生労働省の一次統計データを詳しく見ていきましょう。厚労省job tagは、令和7年賃金構造基本統計調査という公的な調査をもとに、AIエンジニアの年収をスキルレベル別に整理しています。
スキルレベル(ITSS)別の年収レンジ
ITSS(ITスキル標準)とは、IT人材のスキルを7段階で評価する経済産業省策定の指標です。AIエンジニアの年収も、このスキルレベルに応じて次のようなレンジで公表されています。

| スキルレベル | 年収レンジ |
|---|---|
| ITSSレベル1〜2(基礎) | 420.0万円〜620.0万円 |
| ITSSレベル3(応用) | 450.0万円〜700.0万円 |
| ITSSレベル4(高度) | 500.0万円〜780.0万円 |
| ITSSレベル5以上(最上位) | 600.0万円〜950.0万円 |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」AIエンジニア職業詳細(令和7年度厚生労働省委託調査を加工)
この表から読み取れるのは、レベルが1段階上がるごとに年収の下限・上限がともに数十万円単位で押し上がっていくという構造です。未経験からのスタートはレベル1〜2の420万円〜620万円が現実的な水準となり、実装経験を積んでレベル4・5相当まで到達すると500万円台〜950万円まで視野に入ります。
有効求人倍率1.96と求人賃金の推移から見る需要
年収と並んで気になるのが、AIエンジニアの需要そのものです。厚労省job tagによると、AIエンジニアが属する職業分類の有効求人倍率は1.96(令和7年度)で、1件の求人に対して応募できる人材が1人に満たない、企業側が採用に苦戦している状態を示しています。
求人賃金(月額)も令和7年度を通じて32万円台〜33万円台で推移しており、大きな落ち込みは見られません。前年同月と比べてもプラスの月が多く、募集時の賃金水準は横ばいから微増で推移しています。全国の就業者数は207,400人(令和2年国勢調査を加工)と報告されており、AIエンジニアという職業カテゴリそのものが、この数年で統計として捕捉されるだけの規模に育ってきたことが分かります。
年代・経験年数別に見るAIエンジニアの年収推移
一次統計の全体像が分かったところで、自分の年代に当てはめられる形に落とし込んでいきましょう。
20代・30代・40代以降の年収相場
求人ボックスの給料ナビが公表している年代別の年収データは、次のとおりです。

| 年代 | 平均年収 | 月収 | 賞与 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 339万円 | 25.4万円 | 35.1万円 |
| 25〜29歳 | 445万円 | 30.6万円 | 77.2万円 |
| 30〜34歳 | 533万円 | 35.8万円 | 103.0万円 |
| 35〜39歳 | 573万円 | 38.7万円 | 108.0万円 |
| 40〜44歳 | 621万円 | 42.1万円 | 115.3万円 |
| 45〜49歳 | 651万円 | 43.4万円 | 130.3万円 |
| 50〜54歳 | 666万円 | 44.5万円 | 131.5万円 |
| 55〜59歳 | 652万円 | 44.4万円 | 119.4万円 |
出典:求人ボックス 給料ナビ「AIエンジニアの仕事の年収・時給・給料」(2026年7月21日更新)
新卒に近い20〜24歳の年収は339万円で、30代前半で533万円、40代前半で621万円と、経験を積むごとに着実に上昇しています。ピークは50〜54歳の666万円で、以降はゆるやかに落ち着く傾向です。厚労省job tagが示すAIエンジニアの平均年齢は42.2歳と、比較的経験豊富な層が多く働いている職業であることも分かります。
経験年数別の給与レンジ
年代だけでなく、実務経験の蓄積そのものも年収を左右します。前章のITSSレベル別レンジと照らし合わせると、次のような対応関係が目安になります。
- 未経験〜数年(ITSSレベル1〜2相当):420万円〜620万円。既存のフレームワークやツールを使いこなしながら、指示のもとで実装を担当する段階
- 数年〜中堅(ITSSレベル3相当):450万円〜700万円。要件定義から実装まで一定の裁量を持って担当できる段階
- ベテラン(ITSSレベル4〜5以上相当):500万円〜950万円。技術選定やチーム全体の設計方針まで担う段階
年代と経験年数は必ずしも一致しませんが、いずれの軸で見ても「スキルレベルが上がるほど年収レンジの上限が広がる」という構造は共通しています。
AIエンジニアと近い職種・海外との年収比較
自分の年代・経験年数での相場が見えたところで、他の軸(近い職種・海外)でも相対的な位置を確認しておきましょう。
データサイエンティスト・ITエンジニアとの違い
AIエンジニアとよく比較される職種に、データサイエンティストと一般的なITエンジニアがあります。データサイエンティストの平均年収は、厚労省job tagによると約573万円とされており、AIエンジニアの609.8万円と近い水準です。
| 職種 | 主な役割 | 年収水準(厚労省job tag等) |
|---|---|---|
| AIエンジニア | AIモデルの実装・運用、生成AIを活用したシステム構築 | 約609.8万円(平均) |
| データサイエンティスト | データから意思決定を支援する分析・予測モデルの構築 | 約573万円(平均) |
| 一般的なITエンジニア | システム・アプリケーションの設計・開発全般 | 職種内の幅が広く一概には言えない |
両職種は業務範囲が重なる部分も多く、データサイエンティストが「データから意思決定を支援する」ことに軸足を置くのに対し、AIエンジニアは「AIモデルの実装・運用」に軸足を置く点が主な違いです。データサイエンティストの年収の詳細は、以下の記事でも解説しています。
参照記事:データサイエンティストの年収はいくら?年収を上げる3つの方法も解説
データアナリストとの違いも含めた職種比較は、以下の記事でさらに詳しく整理しています。
参照記事:データアナリストとデータサイエンティストの違いは?目指す上で覚えておくべき共通点も
海外(米国)AIエンジニアとの年収差
海外、特に米国のAIエンジニアの年収は、日本より高い水準にあります。米国労働統計局(BLS)は、AIエンジニアが多く分類される職業カテゴリ「Computer and Information Research Scientists」の2024年年間中央値賃金を140,910ドルと公表しています(出典:US BLS Occupational Outlook Handbook)。1ドル150円で換算すると、約2,114万円に相当する計算です。

同カテゴリの雇用者数は2024年から2034年にかけて20%増加(「平均をはるかに上回るペース」とBLSは表現)すると予測されており、需要・年収ともに日本より高い伸びしろが見込まれています。ただし、米国は生活費・税負担・雇用の流動性など前提条件が日本と大きく異なるため、金額だけを単純比較して「日本は低い」と結論づけるのは早計です。日本国内でも、次の章で紹介するようにスキルレベルを上げることで年収を引き上げる余地は十分にあります。
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AIエンジニアの年収を上げる5つの方法
相対的な位置が分かったところで、具体的に何をすれば年収が伸びるのかを見ていきましょう。
1. 生成AI・LLM関連スキルを身につける(RAG・エージェント実装)
生成AIの登場以降、AIエンジニアに求められるスキルは変化しています。以前は機械学習モデルをゼロから設計・学習させる業務が中心でしたが、現在は大規模言語モデル(LLM)を活用し、自社データを参照させるRAG(検索拡張生成)や、AIが自律的にタスクを遂行するエージェント実装ができる人材の需要が伸びています。ITSSレベル4〜5相当(500万円〜950万円)のレンジに到達するには、こうした生成AI時代の実装スキルが有利に働きます。
2. 資格取得で市場価値を証明する
G検定・E資格(日本ディープラーニング協会)などの資格は、体系的な知識を持っていることを客観的に証明する手段になります。資格そのものが直接年収を引き上げるわけではありませんが、転職活動や社内評価の場面で、実務経験を裏付ける材料として機能します。
3. 転職で年収レンジを引き上げる
同じスキルレベルでも、所属する企業によって年収レンジは変わります。求人ボックスの企業規模別データによると、AIエンジニアの平均年収は従業員10〜99人の企業で492万円、100〜999人の企業で529万円、1,000人以上の企業で610万円です(求人ボックス給料ナビ調べ)。企業規模だけで判断すべきではありませんが、より大きな裁量とリソースを持つ企業への転職は、年収レンジを引き上げる現実的な選択肢の1つです。
4. フリーランス・副業という選択肢
正社員として年収レンジの上限に近づいた後、さらに収入を伸ばす手段としてフリーランスや副業という働き方もあります。案件単価は個人のスキルレベルとポートフォリオに直結するため、実績を積んでからの選択が現実的です。
5. 上流工程(企画・要件定義)に関わる
実装だけでなく、AI活用の企画・要件定義といった上流工程に関わることも年収アップにつながります。「何を作るか」を決める工程に関われる人材は、実装力に加えてビジネス理解が求められるぶん希少性が高く、ITSSレベル5以上の年収レンジ(600万円〜950万円)に近づきやすくなります。
「AIエンジニアはオワコン」は本当か。年収と需要をデータで検証する
年収を上げる方法が分かったところで、そもそもの将来性への不安を解消しておきましょう。「AIエンジニア オワコン」「AIエンジニア やめとけ」といった検索が一定数あることからも分かるとおり、将来性を不安視する声は存在します。
有効求人倍率・求人賃金の推移から見る実態
しかし、厚労省job tagのデータを見る限り、AIエンジニアの需要が縮小している傾向は確認できません。有効求人倍率は1.96(令和7年度)と、企業側が人材確保に苦戦する水準を維持しており、求人賃金も令和7年度を通じて大きな下落は見られません。統計上は「需要が減っている」というより「安定して人材が不足している」状態です。
生成AI時代に求められるスキルのシフト
「オワコン」という声が出る背景には、生成AIの登場によって「AIモデルをゼロから作る」という従来型の業務が減っている、という実態があります。ChatGPTのようなツールをAPI経由で呼び出すだけであれば、専門的な実装スキルは不要になりつつあるのも事実です。
一方で、リベルクラフトが支援先企業のAI導入現場で見てきた実感としては、自社データをRAGで参照させる仕組みや、複数のタスクを自律的にこなすエージェントの設計・実装ができる人材の需要は、むしろ増えています。求められるスキルが「モデルをゼロから作る力」から「LLMを土台に、自社の業務に落とし込む力」へとシフトしているだけであり、AIエンジニアという職業そのものが縮小しているわけではありません。
未経験からのキャリアチェンジでも伸ばせる年収の実態
未経験からAIエンジニアを目指す場合の現実的な出発点は、ITSSレベル1〜2相当の420万円〜620万円です。ここから実務経験を積み、生成AI・RAG関連のスキルを身につけることで、レベル3(450万円〜700万円)、レベル4以上(500万円〜950万円)へと段階的に年収レンジを引き上げていくのが、統計的にも裏付けられた現実的な道筋です。一足飛びに「年収1000万円」を目指すのではなく、スキルレベルを1段階ずつ積み上げる意識を持つことが、遠回りに見えて確実な方法と言えます。
まとめ
- AIエンジニアの平均年収は、求人統計(求人ボックス)で600万円、厚労省統計(job tag)で609.8万円と、出どころの違う2つの統計がほぼ一致している
- スキルレベル(ITSS)別に見ると、レベル1〜2で420万円〜620万円、レベル5以上で600万円〜950万円とレンジが上がっていく
- 年代別では20代前半339万円から50代前半666万円まで、経験を積むごとに着実に上昇する
- 有効求人倍率は1.96と高水準で、「オワコン」と言われるほど需要が縮小している事実は統計上確認できない
- 年収を上げるには、生成AI・LLM関連スキルの習得、資格取得、転職、フリーランス、上流工程への関与という5つの方向性がある
AIエンジニアとして年収を伸ばすなら「Craft College」へ
「年収の相場は分かったが、自分がそこに到達するには何を、どの順番で身につければいいか分からない」「独学で遠回りしたくない」と感じた方も多いのではないでしょうか。地道な学習を継続できる方、数字やロジックで考えるのが苦にならない方は、AIエンジニアに向いている素養を持っていると言えます。
リベルクラフトが運営するCraft Collegeでは、本記事で紹介したITSSレベルの考え方をもとに、現役データサイエンティストが受講生一人ひとりの現在地に合わせた学習ロードマップを設計し、伴走支援します。以下のようなニーズをお持ちの方に向いています。
- 未経験からAIエンジニアとしてのキャリアをスタートしたい方
- 独学で何から手をつければいいか分からず止まってしまっている方
- 生成AI・LLM・RAGまで含めた最新のスキルを実務レベルで身につけたい方

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この記事を書いた人
慶應義塾大学で金融工学を専攻。 卒業後はスタートアップのデータサイエンティストとして、AI・データ活用コンサルティング事業などに従事。 その後、株式会社セブン&アイ・ホールディングスにて、小売・物流事業におけるAI・データ活用の推進に貢献。 株式会社リベルクラフトを設立し、AIやデータサイエンスなどデータ活用領域に関する受託開発・コンサルティングや法人向けトレーニング、教育事業を展開。


