AIエンジニアへの転職活動の進め方。未経験・他職種からの5ステップ
「AIエンジニアに転職したい」と思っても、何から手をつければいいか分からないという方も多いでしょう。
求人サイトを眺めたり、SNSで情報を集めたりしても、実際の転職活動を「いつ・何を・どの順番で」進めればいいのかまでは分からず、行動に移せないまま検索にたどり着いた方も少なくないはずです。
そこで本記事では、
- 未経験・他職種からAIエンジニアへの転職が現実的に可能か
- 転職活動を進める5つのステップ
- 転職エージェントの選び方・活用法
- 職務経歴書や面接でアピールすべきポイント
- 前職や年代によって変わる転職戦略
についてわかりやすく解説します。AIエンジニアへの転職を検討している方、そろそろ具体的に動き出したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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AIエンジニアへの転職は未経験・他職種からでも可能か
まずは、未経験や他職種からでもAIエンジニアへ転職できるのか、結論から確認しましょう。
結論。前職の経験によって難易度は変わるが可能
AIエンジニアへの転職は、未経験でも他職種からでも十分可能です。ただし前職の経験によって、必要な準備の量と転職までの期間は大きく変わります。 厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、AIエンジニアが属する職業分類の有効求人倍率は1.96倍(令和7年度)と、企業側が採用に苦戦している状態が続いています(出典:厚生労働省job tag「AIエンジニア」職業詳細。詳細データは以下の記事も参照)。
参照記事:AIエンジニアの年収は平均いくら?厚労省データで徹底解説
需要が安定している背景には、生成AIの登場によって「モデルをゼロから開発する仕事」だけでなく、「既存のLLM(大規模言語モデル)を業務に組み込む仕事」が急増していることがあります。AIエンジニアという職種の定義・仕事内容自体は、以下の記事で詳しく整理しています。
参照記事:AIエンジニアとは。仕事内容やデータサイエンティストとの違いを解説
前職パターン別に見る転職のしやすさ
前職の経験によって、転職の進めやすさと活かせる強みは変わります。
| 前職パターン | 転職のしやすさ | 活かせる経験 |
|---|---|---|
| SIer・システムエンジニア | 比較的スムーズ | プログラミング経験・要件定義・インフラ知識 |
| Webエンジニア・バックエンドエンジニア | 比較的スムーズ | プログラミング経験・API設計・データベース |
| データアナリスト・統計解析経験者 | スムーズ | 統計・分析スキル、データの扱いに慣れている点 |
| 非IT職種(営業・企画・事務等) | 準備期間がやや必要 | 業界知識・ドメイン理解、現場課題の言語化力 |
つまり、プログラミング経験がある職種からは学習の追加で比較的短期間の転職を狙え、非IT職種からは基礎学習にやや長い期間を要するものの、業界知識という別の強みを武器にできるということです。
AIエンジニアへの転職活動を進める5つのステップ
転職の可能性が分かったところで、実際に何をすればいいのか、5つのステップに分けて解説します。

1. 自己分析・キャリアの棚卸し
最初に行うのは、これまでのキャリアの棚卸しです。前職で培ったスキル(プログラミング・分析・業務知識のいずれか)を書き出し、AIエンジニアとしてどの領域を目指すのか(実装中心か、企画・活用推進寄りか)の方向性を定めます。この段階で目指す姿が曖昧なままだと、次の学習ステップで何を優先すべきか判断できなくなります。
2. 学習・スキル準備とポートフォリオ作成
AIエンジニアに必要な基礎スキルを固める段階です。Pythonの文法、機械学習の基本的な考え方に加えて、生成AI・LLMを活用する実装スキル(RAGの構築等)まで学ぶと、選考で評価されやすくなります。学んだ内容は、実際に動くものとしてポートフォリオにまとめておくことが重要です。GitHub等で公開できる成果物があると、書類選考・面接の両方で説得力が増します。
3. 転職エージェント・求人サービスへの登録
学習と並行して、転職エージェントや求人サービスへの登録を進めます。エージェントは未経験可の求人情報だけでなく、書類添削・面接対策までサポートしてくれる存在です。選び方・活用のコツは次の章で詳しく解説します。
4. 応募書類の作成と応募
職務経歴書・履歴書を用意し、ポートフォリオへのリンクを添えて応募します。1社ずつ丁寧に書くよりも、まず5〜10社程度に幅広く応募し、書類選考の通過率から自分の市場価値を把握しながら書類を調整していくのが現実的な進め方です。
5. 面接対策と内定後の確認事項
面接では、学習の過程とポートフォリオの内容を具体的に説明できるよう準備します。内定が出た後は、業務内容(実装が中心か、運用・分析が中心か)や労働条件を確認したうえで、在職中であれば退職交渉のタイミングを調整します。
つまり、5つのステップを一つずつ順番に進めれば、独学だけで進めるときに生じやすい迷いを減らしながら、転職活動を着実に前に進められます。
ここまで転職活動の5ステップを解説しましたが、「学習・スキル準備を独学で乗り切れるか不安」という方は、リベルクラフトへご相談ください。
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転職エージェントの選び方・活用法
5つのステップの中でも、多くの転職成功者が活用しているのが転職エージェントです。ここでは選び方と活用のコツを整理します。
IT/Web特化型エージェントと総合型エージェントの違い
転職エージェントは、大きく3つのタイプに分かれます。
| 種類 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| IT/Web特化型 | AI・データ分野の求人に詳しく、技術面接対策も手厚い | プログラミング経験がある方、技術力を評価してほしい方 |
| 総合型 | 業界を問わず幅広い求人を保有し、非IT職種からの転職支援に慣れている | 非IT職種から未経験で目指す方、まず選択肢を広く見たい方 |
| ハイクラス特化型 | マネジメント経験者向けの求人が中心 | マネジメント経験のある30代後半以降の方 |
自分の前職や目指すポジションに応じて、どのタイプを軸にするかを最初に決めておくと、登録先を絞り込みやすくなります。
複数エージェントを併用するコツ
1社だけに絞らず、2〜3社を併用するのが現実的な進め方です。エージェントごとに保有する求人は異なるため、複数登録することで求人の網羅性が高まります。あわせて、担当者との相性やレスポンスの速さも重要な判断材料です。エージェントから受け取った市場感やアドバイスに食い違いがある場合は、鵜呑みにせず、求人票や企業の採用ページで自分自身でも裏を取る姿勢を持つと安心です。
登録から内定までの大まかな流れも押さえておくと、動き出しやすくなります。求人サイトやエージェントの公式サイトから登録すると、1週間程度以内にキャリアアドバイザーとの初回面談(オンラインが主流)が設定されます。この面談ではこれまでの経歴や学習状況、希望条件を伝え、職務経歴書の下書きがあれば持参すると、その場で改善点を指摘してもらえることが多いです。面談後は条件に合う求人の紹介が始まり、気になる求人があれば書類添削を経て応募、書類選考を通過すれば面接日程の調整、内定が出れば条件交渉や退職時期の相談まで、一連の流れをアドバイザーが伴走してくれます。初回登録から最初の求人紹介までは早ければ数日、内定までは前職の状況や希望条件によって1〜3ヶ月程度が目安です。
エージェント面談で確認しておくべき質問
初回面談では、以下のような質問をしておくと、そのエージェントが自分に合うか見極めやすくなります。
- 未経験・他職種からの転職支援実績はどのくらいあるか
- AI・データ分野出身、または詳しい担当者が付くか
- 書類添削・面接対策はどこまで具体的にサポートしてもらえるか
- 応募から内定までの平均的な期間はどのくらいか
つまり、特化型と総合型を組み合わせて使うことで、求人の網羅性と専門的なアドバイスの両方を得やすくなります。
職務経歴書・面接でアピールすべきポイント
エージェントの活用法が分かったところで、実際に提出する書類と面接での伝え方を見ていきましょう。
未経験者が伝えるべきこと(学習量とポートフォリオ)
未経験からの応募では、実務経験の代わりに「学習にどれだけ本気で取り組んできたか」を具体的に示すことが重要です。学習に費やした時間、取り組んだ教材や課題、完成させたポートフォリオのURLを職務経歴書に明記しましょう。生成AI・LLMを使った成果物があれば、現場で評価されやすい要素として特に触れておくと効果的です。
未経験からのポートフォリオは、何を作るか自体で悩む人も多いところです。評価されやすい題材としては、社内文書やFAQを検索対象にしたRAGチャットボット、議事録や資料を要約する生成AIツール、Kaggle等のコンペティションでの分析実績、の3種類が挙げられます。いずれも「何を作ったか」だけでなく「どんな課題を、どの技術要素(埋め込みモデル・ベクトルDB・プロンプト設計等)で、どう解決したか」を職務経歴書とポートフォリオの両方に書き添えることが重要です。単に動くものを作るだけでなく、精度を上げるために試した工夫や、うまくいかなかった点とその原因まで言語化しておくと、面接で深掘りされた際にも具体的に答えられます。
他職種経験者が伝えるべきこと(前職の強みの言語化)
他職種からの転職では、前職の実績を「課題→工夫→成果」の型で整理し、その経験がAI活用のどの場面で活きるかまで具体的に示すことが求められます。例えば営業職の経験者であれば顧客理解の深さを、経理職の経験者であれば業務プロセスを言語化する力を、AI活用の企画・要件定義に結びつけて説明すると説得力が増します。
よくある面接質問と回答の型
面接では、以下のような質問がよく聞かれます。
- 「なぜAIエンジニアを目指すのか」:きっかけと、そこからどう学習行動につなげたかをセットで答える
- 「今できることは何か」:ポートフォリオの内容を、使用した技術要素まで含めて説明できるようにしておく
- 「入社後どう成長していきたいか」:今後の学習計画を、期間や領域まで具体的に語れるようにしておく
技術的な理解を問う質問も想定しておく必要があります。例えば「RAGとファインチューニングの違いを説明してください」「なぜこの技術スタックを選んだのですか」といった質問には、それぞれの仕組みの違いや、コスト・運用のしやすさといった選定理由まで踏み込んで答えられるようにしておくと、単なる暗記ではなく理解した上で使っている印象を与えられます。答えに詰まった場合は、無理に取り繕わず「その点は学習中で、こう理解しています」と正直に伝えたほうが、誠実さが評価されやすくなります。
つまり、未経験者は学習の証拠を、他職種経験者は前職の強みの言語化を軸に準備すると、面接での説得力が高まります。
前職・年代別に見る転職戦略
書類・面接の型が分かったところで、自分の前職・年代に当てはめた戦略に落とし込みましょう。
SIer・Webエンジニアからの転職
すでにプログラミング経験があるため、実装力を活かした求人を積極的に狙えます。生成AI・LLM関連のスキル(RAGの構築等)を追加で身につけて示せると、年収面でも有利に働きやすくなります。年収の詳細な水準は以下の記事で解説しています。
参照記事:AIエンジニアの年収は平均いくら?厚労省データで徹底解説
非IT職種(営業・企画・事務等)からの転職
非IT職種からいきなりAIエンジニア専任のポジションを狙うのは難易度が高い場合もあります。まずは社内でAI活用推進の役割を担った実績を作る、または「非IT出身のAI人材」をあえて求めている企業を探すという選択肢も現実的です。
20代・30代・40代以降で変わる戦略
年代によって評価される要素は変わります。
| 年代 | 重視される点 | 戦略のポイント |
|---|---|---|
| 20代 | 学習意欲・伸びしろ | ポートフォリオと学習量で意欲を示す |
| 30代 | 即戦力性・専門性 | 前職の実務経験とAIスキルの掛け合わせを打ち出す |
| 40代以降 | ドメイン専門性・マネジメント経験 | 技術力だけでなく、業界知識やチームマネジメント経験を武器にする |
つまり、年代が上がるほど純粋な技術力だけでなく、前職で培った経験をどう掛け合わせて語るかが評価の分かれ目になります。
AIエンジニア転職を成功させるための注意点
個別の戦略が分かったところで、最後に転職を成功させるための共通の注意点を確認しましょう。
在職中に準備を始めるべき理由
学習やポートフォリオ作成には、まとまった時間がかかります。収入を確保しながら準備を進められる在職中のうちに動き始めるのが基本です。退職してから学習を始めると、生活の不安から焦って学習の質が下がったり、条件面で妥協した転職をしてしまったりするリスクが高まります。
年収交渉で焦らないためのポイント
年収交渉では、自分のスキルレベルが市場のどの水準に相当するかを事前に把握しておくことが重要です。厚労省job tagが公表するスキルレベル(ITSS)別の年収レンジ等、客観的な指標を押さえたうえで臨むと、根拠を持って交渉できます。1社の内定だけで判断せず、複数社の内定を比較検討できる状態を作っておくと、焦らず判断しやすくなります。
「勢いで転職」して後悔しないための見極め方
求人票に書かれた業務内容が、モデルの実装が中心なのか、既存ツールの運用・分析が中心なのかを確認しましょう。前述のとおりAIエンジニアの有効求人倍率は高水準で、需要そのものが縮小しているわけではないため、目先の内定に飛びつかず、比較検討する時間的な余裕を持つことができます。
つまり、在職中の準備と情報収集を丁寧に行うほど、転職後のミスマッチを防げます。
まとめ
- AIエンジニアへの転職は未経験・他職種からでも可能だが、前職によって必要な準備量は変わる
- 転職活動は「自己分析→学習・ポートフォリオ準備→エージェント登録→応募書類作成→面接対策」の5ステップで進める
- 転職エージェントはIT/Web特化型・総合型・ハイクラス特化型を組み合わせて2〜3社併用するのが現実的
- 未経験者は学習量とポートフォリオを、他職種経験者は前職の強みの言語化を軸に書類・面接を準備する
- 前職や年代によって重視される点は異なり、それぞれに合わせた戦略が必要
- 在職中から準備を始め、複数の選択肢を比較しながら焦らず進めることが転職成功の鍵になる
AIエンジニアへのキャリアチェンジは「Craft College」へ
「転職活動の進め方は分かったが、独学だけでスキル準備を進めきれるか不安」「ポートフォリオに何を載せればいいか分からない」と感じた方も多いのではないでしょうか。
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- 独学でポートフォリオを作りきれるか不安な方
- LangChain・RAG・AIエージェントまで含めた最新の技術領域を実務レベルで学び、面接で語れる成果物を作りたい方

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この記事を書いた人
慶應義塾大学で金融工学を専攻。 卒業後はスタートアップのデータサイエンティストとして、AI・データ活用コンサルティング事業などに従事。 その後、株式会社セブン&アイ・ホールディングスにて、小売・物流事業におけるAI・データ活用の推進に貢献。 株式会社リベルクラフトを設立し、AIやデータサイエンスなどデータ活用領域に関する受託開発・コンサルティングや法人向けトレーニング、教育事業を展開。


