Difyを活用したLLMアプリの構築方法。開発での3つの手法と注意点も解説
「自社データを使ったLLMアプリを作りたいが開発の知識がない」「Difyで実際に何ができるのかイメージがわかない」という方も多いのではないでしょうか。
ChatGPTをそのまま使うだけでは、自社のマニュアルや問い合わせ履歴を活用した仕組みを業務に取り入れるのが難しい場合があります。
そこでDifyを使えば、RAGを活用したチャットボットや業務ツールのプロトタイプを、ノーコード・ローコードで比較的手軽に構築できます。
そこで本記事では、
- Difyとは何か、どんなことができるのか
- Difyで開発できるLLMアプリの種類
- 開発における3つの手法と具体的な手順
- 実際の活用事例と、開発時に気をつけたい注意点
をわかりやすく解説します。Difyを使ったLLM開発を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
「DifyでLLMアプリを構築したいが、自社だけで進められるか不安」という方は、リベルクラフトへご相談ください。
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Difyとは?
Difyは、一からコードを書かずに、LLMアプリを作れるオープンソースの開発ツールです。
これまで、LLMを組み込んだアプリを一から作ろうとすると、プロンプトの設計、社内文書の検索の仕組み、画面の実装など、幅広い専門知識が求められました。
Difyには、こうした仕組みを画面上で組み立てられるよう、以下の機能があらかじめ用意されています。
- ナレッジ管理・RAG機能:社内文書やFAQを読み込ませ、回答の根拠として参照させられる
- プロンプトIDE:プロンプトの作成・テスト・改善を画面上で試せる
- ワークフロー:複数の処理を線でつなぎ、一連の流れを自動化できる
- LLMモデル連携:OpenAIやClaudeなど複数の生成AIや外部サービスと組み合わせられる
作成したアプリは、そのままWeb上で公開することも、自社のシステムに組み込むこともできます。
また、どのように使われているかや、どのような回答をしているかを確認する機能もあり、公開後も、利用状況を見ながら内容を見直していけます。
Difyの機能や活用イメージをより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
内部リンク:Difyで何ができる?5つの特徴と活用例を成功事例も交えて紹介
DifyでLLMを開発する流れ
DifyでLLMアプリを作るときは、まず使うデータを整え、その後にLLMを組み込み、正しく動くかを確認するという順番で進めます。
大きく分けると、次の4つのステップがあります。
- データ準備:社内マニュアルや報告書など、AIに読み込ませたい文書を集める
- データ前処理:レイアウトを整え文章を適切な長さに分けて、検索しやすい状態にする
- LLMの組み込み:使用する生成AIを選び、プロンプトを調整しデータとつなぐ
- テスト・デプロイ・運用:回答を確認し、問題があれば修正し公開後も改善を続ける
基本的な進め方は、一般的なRAGシステムやAIを使ったアプリの開発と大きく変わりません。
Difyは、こうした作業を画面上で簡単に進められるようにまとめたツールで、開発の流れを確認・テストしながらアプリを作れる点が特徴です。
Difyで開発できるLLMアプリの例
Difyでは、社内文書を読み込ませたチャットボットから、文章の生成や要約を行うツールまで、業務のさまざまな場面で使えるLLMアプリを開発できます。
まずは、代表的なものを表にまとめました。
| アプリの例 | 概要 | 主な活用シーン |
|---|---|---|
| 社内問い合わせチャットボット | 社内文書を根拠に、質問へ自動で回答する | 総務・情シスへの問い合わせ対応、社内ヘルプデスク |
| FAQ・カスタマーサポート対応 | よくある質問への回答を自動で下書きする | 顧客からの問い合わせ、コールセンターの一次対応 |
| 議事録作成アプリ | 長い文章の要約や下書きの作成、誤字や表現の修正を行う | 会議の議事録作成、メールや資料の下書き |
| 多言語対応・翻訳アプリ | 複数言語での問い合わせや文書に対応する | 海外拠点とのやり取り、外国籍のお客様対応 |
たとえば、社内文書を参照して答える問い合わせチャットボットでは
- この手続きはどう進めればいいか
- あの資料はどこにあるか
といった、担当者へ何度も聞いてしまう質問をLLMが自動で回答できるようになります。
このようにDifyは「何かひとつの決まったアプリを作るツール」ではなく、目的に合わせたLLMアプリを組み立てられます。
Difyのチャットボットを実際にどう作るのか、手順や組み込み方まで具体的に知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
内部リンク:Difyのチャットボット作成方法!ナレッジ組み込みや活用事例も紹介
DifyでLLMを開発する3つの手法
Difyを使ったLLMアプリの開発方法は、作りたい仕組みや既存システムとのつなぎ方によって異なります。
Difyのみで使う方法から、Webアプリや複数のシステムと組み合わせる方法まで、3つに分けて紹介します。
- Dify単体(スタンドアロン型)
- Dify +Webアプリ(Web統合型)
- Dify+各種複合システム(複合システム連携型)
Dify単体(スタンドアロン型)
Dify単体型は、Difyの中だけでLLMアプリを完結させる、もっとも手軽な手法です。
社内文書を読み込ませるナレッジベースや質問に答えるチャット画面、処理の流れを決めるワークフローまで、すべてDifyにあらかじめ用意された機能を使って作れます。

外部のシステムとつなぐ作業が必要ないため、作り始めてから実際に動かすまでが早いのが特徴です。
そのため、この手法が向いているのは
- RAGを構築するPoC
- 社内向けのQ&Aチャットボット
- 一部の部署で使うアプリ
といった、スモールスタートで始めたい場面と言えるでしょう。
いきなり大きな仕組みを作るのではなく、Difyだけで手早く形にして、効果を見極めてから次を考えるという進め方に適しています。
Dify +Webアプリ(Web統合型)
Web統合型は、AIの処理をDifyで行い、利用者が操作する画面は自社で用意する方法です。
Difyは、Difyの画面をそのまま使うのではなく、APIを通じて、Streamlitなどで作ったWebアプリとつなぐことができます。

Difyだけを使う場合、画面のデザインや操作方法を自由に細かく変えることはできません。
Web統合型なら、入力欄やファイルのアップロード、結果の表示方法などを、自社の業務に合わせて調整でき、実際の仕事で使いやすい形に仕上げられます。
たとえば
- 自社独自のデザインや使いやすさを取り入れたい
- 既存の業務システムに組み込みたい
- 検索機能などを追加したい
といった場面に向いています。
LLMの処理はDifyで作り、利用者が操作する画面は自社で用意するため、LLM開発の手間を抑えながら、使いやすいオリジナルのWebアプリを作れます。
Dify+各種複合システム(複合システム連携型)
複合システム連携型は、DifyをLLMの処理の中心にしながら、AzureやAWSなどのクラウドサービスや、ほかの業務システムと組み合わせる方法です。

たとえば、普段使っているMicrosoft TeamsやSlackからLLMを使えるようにしたり、検索の精度を高めるためにOpenSearchなどを追加したりできます。
文書を自動で登録する仕組みや、システム同士をつなぐAPIを用意することも可能であり、次のような場合に向いています。
- 全社での利用を考えている
- TeamsやSlackなど、普段使っているツールとつなぎたい
- 多くの利用者が使っても安定して動く仕組みが必要
Dify単体やWeb統合型よりも、準備や設計に手間はかかる一方で、自社の業務に合わせて必要な機能を追加しながら仕組みを広げられる点が特徴です。
ただし、最適な構成や進め方は、利用人数や対象業務、既存システムの状況によって異なります。
「自社ではどの手法から始めるべきか」「将来的な拡張を見据えて、どこまで設計しておくべきか」と迷われる場合は、リベルクラフトへご相談ください。
リベルクラフトでは、業務課題の整理からDifyを使った構築、既存システムとの連携やAPI化、運用の内製化まで一気通貫で伴走支援しています。
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DifyでLLMを開発するメリット
Difyを活用することで、用途に応じて複数のLLMを使い分け、RAGを用いたアプリケーション開発をスピーディーに進められます。
さらに、外部APIや既存システムとの連携にも対応しており、実用的なLLMアプリケーションを柔軟に構築できる点が大きなメリットです。
- 複数のLLMを用途に応じて使い分けやすい
- RAGを比較的スピーディーに構築できる
- 外部APIや既存システムと連携できる
複数のLLMを用途に応じて使い分けやすい
Difyは、特定のLLMに限定されず、目的に応じて複数の生成AIを使い分けられるツールです。
利用できるモデルには、たとえば以下があります。
- GPT(OpenAI社)
- Claude(Anthropic社)
- Gemini(Google社)
LLMモデルは提供者の方針により料金が上がったり、性能が変動するため、別の提供者のモデルも使い分けられることが大切です。
Difyでは、管理画面から利用するモデルを変更できるため、状況に合わせて柔軟に切り替えられます。
たとえば、「文章の要約には料金を抑えたモデルを使い、難しい判断が必要な場面では性能の高いモデルを使う」といった使い分けも可能です。
用途に応じて料金やLLMのモデルを調整・変更できることは、継続して利用するうえでのメリットといえるでしょう。
RAGを比較的スピーディーに構築できる
Difyを使うと、社内データをもとに回答するRAGの仕組みを、比較的短期間で構築できます。
RAGを1から開発する場合
- 文書などのデータを検索しやすい形に整える
- 質問に関連する情報を検索し、検索結果をLLMへ渡す仕組みを構築する
などを自社で対応する必要があり、開発には一定の時間と専門知識が求められます。
Difyでは、PDFやWordなどの文書をアップロードするだけで、検索に使うデータを簡単に登録できます。回答を確認するためのチャット画面も用意されているため、想定した回答が得られるかをすぐに試せる点もメリットです。
そのため、本格的な開発を始める前に、PoCとして小さく試したい場合にも向いています。
まずは実際に動かして精度や使いやすさを確認し、その結果を見てから本格的に導入するかどうかを判断できます。
外部APIや既存システムと連携できる
Difyは、単体で使うだけでなく、自社で利用しているさまざまなシステムやサービスと連携できます。
たとえば、以下のようなものとつなげられます。
- 自社のWebアプリや業務システム
- TeamsやSlackなどのチャットツール
- 外部サービスが提供するAPI
普段使っているSlackからAIに質問できるようにすれば、LLMアプリの画面を開く必要がなくなり、日々の業務の中で使いやすくなります。
また、既存の業務システムに組み込むことで、これまでの作業の流れを大きく変えずにAIを活用できます。
新しいツールに置き換えるのではなく、現在使っている環境にDifyを組み込めることも、導入しやすい特徴です。
DifyでLLMを開発する前の準備
DifyでLLMを用いた開発を始めるには、事前に実行環境や利用するモデルを決めておく必要があります。
あわせて、モデルの登録とAPIキーの設定まで済ませておくと、開発をスムーズに進められます。
- Difyの実行環境を用意する
- 使用するLLMモデルを決める
- モデルプロバイダーとAPIキーを設定する
Difyの実行環境を用意する
まずは、Difyをどの環境で使うかを決める必要があり、主な方法は次の2つです。
- クラウド版:Difyが用意したサービスを利用する方法
- セルフホスト版:自社のサーバーにDifyを設置して利用する方法
どちらを選ぶかによって、始めるまでの手間や管理方法が変わります。それぞれの違いは、次のとおりです。
| 項目 | クラウド版 | セルフホスト版 |
|---|---|---|
| 始めやすさ | アカウントを登録すればすぐに使える | サーバーの準備や設定が必要 |
| データの保存先 | Difyが管理する環境に保存される | 自社で管理する環境に保存できる |
| 設定の自由度 | 変更できる範囲が限られる | 自社に合わせて細かく設定できる |
| 必要な知識 | 専門知識が少なくても始めやすい | サーバーやシステムに関する知識が必要 |
| 向いている場面 | まずは手軽に試したい場合 | 機密情報を扱う場合や、自社に合わせて細かく設定したい場合 |
まずは手軽に試したい場合は、準備の少ないクラウド版が向いています。一方、社外に出せないデータを扱う場合や、自社に合わせて細かく設定したい場合は、セルフホスト版の方がよいでしょう。
最初にクラウド版で検証し、その後セルフホスト版へ移行する方法もあります。ただし、アプリ定義以外に、ナレッジデータや認証情報、プラグインなどの移行作業が必要になる可能性があるため、あらかじめ移行範囲を確認しましょう。
セルフホスト版を自社で構築する具体的な手順を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
内部リンク:Difyのローカル環境を構築する5つのステップ。構築後に行う2つの対策まで解説
使用するLLMモデルを決める
Difyを使う環境を用意したら、次にどのLLMモデルを使うかを決めます。Difyは複数のモデルに対応しているため、目的や予算に合ったものを選べます。
モデルを選ぶ際は、主に次の点を確認しましょう。
- 回答の正確さ:任せたい作業に対して、期待する回答が得られるか
- 料金:利用する回数や文章量に応じて、どのくらい費用がかかるか
- 日本語の自然さ:日本語の指示を正しく理解し、読みやすい文章で回答できるか
- 情報の取り扱い:入力した情報が保存されるか、学習に使われるか
一般的に、性能の高いモデルほど料金も高くなる傾向がありますが、すべての作業で高性能なモデルを使う必要はありません。
文章の要約や分類には料金を抑えたモデルを使い、難しい質問への回答には性能の高いモデルを使うなど、作業に応じて使い分けると費用を抑えやすくなります。
まずはいくつかのモデルで同じ質問を試し、回答の内容や料金を比べてから選ぶとよいでしょう。
モデルプロバイダーとAPIキーを設定する
使用するモデルを決めたら、次にそのモデルの提供元をDifyに登録し、APIキーを設定します。
APIキーは、DifyからLLMを利用するために必要な情報です。
設定は、主に次の手順で行います。
- OpenAIなど、利用するモデルの提供元でアカウントを作成する
- 管理画面からAPIキーを発行する
- 発行したAPIキーをDifyの設定画面に登録する
APIキーの管理には注意が必要であり、外部に漏れると、第三者に不正利用され、料金が発生する可能性があります。メールやチャットなど、ほかの人が見られる場所に貼り付けないようにしましょう。
また、多くの生成AIサービスでは、利用した量に応じて料金がかかります。予想以上に請求されてしまうのを防ぐため、最初は利用上限を低めに設定し、使用状況を確認しながら調整すると安心です。
ここまで設定すれば、DifyでLLMを使ったアプリを作り始められます。
DifyでLLMアプリを開発する手順
ここからは、社内文書の内容をもとに回答するRAGを活用したチャットボットを例に、Difyでアプリを作る手順を紹介します。
作業は、次の5つの手順です。難しいコードを書く作業はなく、Difyの画面上で設定を進められます。
- アプリの種類を選んで作成する
- 社内文書を登録する
- 回答のルールを設定する
- 登録した文書をアプリにつなぐ
- 回答を確認して公開する
1. アプリの種類を選んで作成する
はじめに、作りたいアプリの種類をDifyの画面から選びます。
Difyでは、主に「ワークフロー」と「チャットフロー」からアプリの形式を選択します。社内文書について質問できるアプリを作る場合は、チャット形式のものを選ぶとよいでしょう。

アプリの名前を入力するだけで、次のLLMアプリの作成画面に移動できます。
このように何も設定されていない状態から作ることもできれば、用意されているひな形を使う方法もあります。
2. 社内文書を登録する
次に、LLMに回答の参考にしてほしい社内文書をDifyへ登録します。
今回はサンプルとして「経理業務マニュアル」のPDF資料をアップロードします。

マニュアルやFAQ、報告書などのファイルをアップロードすると、Difyが内容を読み取り、検索できる状態に整えます。ここで登録した資料が、チャットボットの回答に使われます。
登録するときは、文書をどのくらいの長さで分けるかの詳細を設定することも可能です。
詳細に設定する際は、短く分けすぎると文章のつながりがわかりにくくなり、長すぎると質問に関係のない内容まで含まれることがあるため、文書の内容や長さに合わせて調整しましょう。
3. 回答のルールを設定する
続いて、LLMにどのように回答してほしいかをプロンプトとして文章で設定します。
たとえば、「社内ヘルプデスクの担当者として、登録された文書の内容だけを使い、丁寧に回答してください」といった形で、役割や回答方法を決めます。

さらに
- 文書に書かれていない内容は推測しない
- 判断できない場合は、わからないと回答する
のような決まりを加えておくと、文書にない内容を事実のように答えるのを防ぎやすくなります。
指示文によって回答内容が変わるため、実際の回答を確認しながらプロンプトを調整していくことが大切です。
4. 登録した文書をアプリにつなぐ
回答のルールを設定したら、先ほど登録した社内文書をアプリに設定します。

設定が終わると、LLMが質問を受けるたびに登録した文書の中から関係する情報を探し、その内容をもとに回答するようになります。これが、RAGと呼ばれる仕組みです。
一般的な生成AIは、あらかじめ学習した情報をもとに回答しますが、このアプリでは、自社で登録した文書の内容を参考に回答できる点が大きな違いです。
5. 回答を確認して公開する
最後に、実際に質問を入力し、期待した回答が得られるかをプレビュー画面で確認します。

Difyの画面上ですぐに試せるため、「経費精算の方法を教えてください。」など、実際の利用を想定した質問を入力してみましょう。
正しい文書を参考にしているか、回答内容に間違いや不足がないかを確認し、思ったような回答が得られない場合は、指示文や文書の分け方を見直すことが大切です。
問題がなければWeb画面として公開したり、自社のシステムから利用できるように設定したりします。最初から完璧なものを作ろうとせず、まずは小さな範囲で試し、回答を確認しながら少しずつ直していくことが大切です。
ただし、適切な設定は、使用する文書の内容や利用する業務によって異なります。
実際に試してみると、「どの文書を登録すればよいかわからない」「何度調整しても期待した回答にならない」といった問題が出てくることもあります。
自社のデータで十分な精度が出るか不安な場合や、将来の本格的な業務利用まで考えて進めたい場合は、リベルクラフトへご相談ください。リベルクラフトでは、業務上の課題の整理から必要な機能の検討、Difyを使ったRAGの構築、導入後の運用までまとめて支援しています。
まずは以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
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Difyの活用事例3選
Difyは、単体で使う方法だけでなく、Webアプリやクラウド環境と組み合わせることで、さまざまな業務に活用できます。
ここでは、議事録の検索やLLMを使った業務支援、RAGチャットボットの構築など、3つの事例を紹介します。
- Difyのみを使った議事録RAG検証
- Dify+StreamlitによるLLMソリューション
- Azure環境におけるRAGチャットボット構築
Difyのみを使った議事録RAG検証
まずは、Difyだけを使って、議事録の内容を検索できるチャットボットを試作した事例です。
複数の議事録をDifyに登録し、利用者が質問を入力すると、関係する内容を探して回答する仕組みを検証しました。

このような仕組みがあれば、議事録を一つずつ開いて確認する必要がなくなります。
たとえば、
- 過去の会議で話し合われた内容
- 決定した方針
- 特定のテーマに関する発言
などを、普段使う言葉で質問して探せるようになります。
Difyには、文書を登録する機能と質問を試せるチャット画面が最初から用意されています。
そのため、新たに専用の検索システムを作らなくても、議事録を使ってどの程度正しく回答できるかを短期間で確認できる点がメリットです。
Dify+StreamlitによるLLMソリューション
Difyで処理の流れを作り、その処理をAPI経由で呼び出して、Streamlitで作ったWeb画面から使えるようにした事例です。
LLMの処理はDifyが担当し、入力画面や結果の表示方法はStreamlitで整えています。

この仕組みにより、Difyの標準画面だけでは対応しにくい入力項目を追加したり、用途ごとに複数の処理を用意したりできます。また、結果を見やすく表示できるため、利用者が迷わず操作できる画面を作ることも可能です。
このようなWebアプリがあれば、「必要な機能はあるものの、操作画面が業務に合わない」「複数の結果を一つの画面で確認したい」といった課題を解決できます。
利用する人や業務内容に合わせて、必要な機能だけをまとめた画面を用意できる点も特徴です。
このようにすべてを一から開発するよりも作業を減らしつつ、使いやすさにも配慮したWebアプリを作れます。
Azure環境におけるRAGチャットボット構築
Difyを中心に、Azure OpenAIやOpenSearch、Microsoft Teamsなどを組み合わせ、社内文書について質問できるチャットボットを構築した事例です。
回答の流れはDifyで作り、質問に合う情報の検索にはOpenSearchを使い、利用者はMicrosoft Teamsから質問できるようにしています。

この仕組みがあれば、社内にある文書を一つずつ開いて探さなくても、普段使っているTeams上で必要な情報を確認できます。
そのため、
- 社内の問い合わせ対応に時間がかかる
- 必要な資料を見つけにくい
- 情報の確認方法が担当者によって異なる
といった問題を改善することができます。
Azure環境で構築するメリットは、Difyの標準機能だけでは対応しにくい部分を、目的に応じて追加できることです。たとえば、検索にはOpenSearch、利用画面にはMicrosoft Teamsを使うなど、それぞれの役割を分けられます。
また、すでにAzureやMicrosoft Teamsを利用している企業であれば、現在の環境を生かしながら導入を進められます。利用者が増えた場合や、ほかの社内システムとつなぎたい場合にも対応しやすい点が、この構成のメリットです。
ここで紹介した3つ以外にも、Difyの活用の幅は広がっています。業務ごとの使い方や他社の成功例をもっと知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
内部リンク:Difyの活用事例20選!業務ごとの活用例や企業の成功例も紹介
DifyでLLMアプリを開発する際の注意点
DifyでLLMアプリを開発する際は、モデルの性能だけでなく、設定方法や利用料金も確認しておくことが大切です。
まずはPoCで小さく試し、精度や費用、使いやすさを確かめながら本番利用へ進めると、失敗を減らしやすくなります。
- LLMモデルの性能だけで精度は決まらない
- API利用料を事前に確認する
- PoCから段階的に本番環境へ移行する
LLMモデルの性能だけで精度は決まらない
LLMから思ったような回答が得られない場合、原因はLLMの性能ではなく、データやプロンプトにあることも少なくありません。
性能の高いLLMに変えたとしても、参考にする文書が古かったり、文書の分け方が適切でなかったり、指示の内容が曖昧だったりすると、性能の高いLLMでも質問に合わない回答をすることがあります。
回答の精度を高めるには、主に次の点を確認する必要があります。
- データが最新であり、重複や間違いがないか
- 文書が内容のまとまりごとに、適切な長さで分けられているか
- どのようにLLMが回答するか、プロンプトが明確に書かれているか
- 質問に合う文書を正しく検索できる仕組みになっているか
また、一度設定して終わりにせず、実際の回答を確認しながら少しずつ調整していく必要があります。
API利用料を事前に確認する
Difyは無料で始められますが、利用するLLMのAPIは、使った量に応じて料金がかかります。確認せずに使い始めると、予想以上の費用が発生することがあります。
料金は、入力する文章や生成される回答の量などによって変わり、特に次のような使い方では費用が高くなりやすいため、注意が必要です。
- 長い文書を読み込ませる
- 多くの社員が頻繁に利用する
- 一度に長い回答を作成する
事前に、利用する人数や回数を大まかに見積もっておくと、毎月かかる費用の見通しを立てやすくなります。
また、利用上限を設定しておけば、予想以上に料金が増えるのを防げます。使い始めた後も、実際の利用状況を定期的に確認し、必要に応じて予算や設定を見直しましょう。
PoCから段階的に本番環境へ移行する
最初から全社で利用するのではなく、まずは小さな範囲で試し、精度を検証しながら利用範囲を広げることが大切です。
初めから大がかりな仕組みを作ると、期待した結果が得られなかった場合に、修正に多くの時間や費用がかかります。
そのため、次のように段階を分けて進めるとよいでしょう。
- PoC(試験導入):対象となる業務やデータを絞り、実際に動かしてみる
- 回答の確認と修正:期待した回答が得られるかを確認し、必要な設定を見直す
- 一部の利用者で試す:限られた社員に使ってもらい、使いにくい点や問題点を確認する
- 本格的に導入する:確認した問題を直したうえで、利用するデータや部署、人数を増やす
Difyは、こうした小規模な試験から始めやすい点がメリットです。小さく試して問題点を確認してから利用範囲を広げることで、費用や作業の負担を抑えながら導入を進められます。
Difyを活用したLLM構築はリベルクラフトへ
ここまで、Difyの基本的な使い方や開発方法、具体的な手順、活用例、注意点について紹介してきました。
Difyを使えば、LLMを使ったアプリを比較的短期間で作り始められます。ただし、実際の業務で使えるものにするには、使用するデータを整理したり、質問に合う情報を探せるように設定したり、回答内容を調整したりする必要があります。
また、既存のシステムとつなぐ場合には、さらに専門的な知識も必要です。
- どのデータを使い、どのように整理すればよいかわからない
- まずは小さく試し、本格的な導入まで支援してほしい
このようなお悩みがある場合は、リベルクラフトへご相談ください。

リベルクラフトでは、業務上の課題を整理するところから、Difyを使ったチャットボットや業務の仕組みづくり、既存システムとの連携、APIの開発まで幅広く支援しています。
導入後に自社で管理や改善ができるよう、社内の担当者への支援も行っています。
仕組みを作って終わりにするのではなく、実際の回答や使い方を確認しながら改善し、業務で役立つ状態にしていくところまで一緒に進めます。Difyを使って自社のデータを活用したいとお考えの方は、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
⇨リベルクラフトのDify開発支援はこちら
この記事を書いた人
慶應義塾大学で金融工学を専攻。 卒業後はスタートアップのデータサイエンティストとして、AI・データ活用コンサルティング事業などに従事。 その後、株式会社セブン&アイ・ホールディングスにて、小売・物流事業におけるAI・データ活用の推進に貢献。 株式会社リベルクラフトを設立し、AIやデータサイエンスなどデータ活用領域に関する受託開発・コンサルティングや法人向けトレーニング、教育事業を展開。


