ナレッジベースとは?3つの構築方法と社内で活用するポイントを解説
「大事な情報がどこにあるかわからない」「上司が休むと業務が回らない」など、社内の知識が人や部署に分散したまま積み上がっている組織は多く、こうした状況に悩む声はよく聞かれます。
こうした課題を解消する手段の一つが「ナレッジベース」です。
ナレッジベースを活用することで、必要な情報を誰でもすぐに探せるようになり、特定の人に頼らなくても仕事を進めやすくなります。
本記事では、
- ナレッジベースの概念と種類
- 構築・活用するメリット
- 3つの構築方法と、社内で根付かせるためのポイント
- 実際の企業事例と、ナレッジベース構築に使えるツールの種類
をわかりやすく解説します。社内の情報整理に課題を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
「社内データを整理して現場で使える状態にしたいが、どこから手をつければよいかわからない」という方は、リベルクラフトへご相談ください。
リベルクラフトでは、社内にある情報を業務で活用できる状態へ整えるための支援を、課題の整理から実装・運用まで一貫して行っています。
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ナレッジベースとは?
ナレッジベースとは、社内業務や顧客対応で必要となる知識・情報を整理し、必要なときに検索・共有できる仕組みのことです。
「データを保存する」という点では通常のファイルサーバーと似ていますが、主な違いは情報が「探しやすい」「活用しやすい」「更新しやすい」状態に整えられている点にあります。
具体的には、
- よくある問い合わせへの回答をまとめたFAQ
- 業務の進め方を記載したマニュアルや手順書
- 過去のプロジェクトで得たノウハウや判断の経緯
のような情報を1か所にまとめ、横断的に検索できる状態にしておくことで、担当者が変わっても業務を止めずに続けられる体制が整います。
「情報はあるけど使われていない」という多くの企業が抱えている課題を解決するためによく使われています。
ナレッジマネジメントとの違い
「ナレッジベース」と似た言葉に、「ナレッジマネジメント」があります。
どちらも社内の知識を活用するためのものですが、それぞれの特徴や違いは以下の通りです。
| 項目 | ナレッジベース | ナレッジマネジメント |
|---|---|---|
| 役割 | 情報をまとめて保管し、必要なときに探せるようにする | 社内の知識を集め、整理し、業務に活かす流れをつくる |
| 具体例 | FAQ、社内wiki、マニュアル、問い合わせ対応履歴 | 情報の収集・整理・更新・改善、社員に使ってもらう仕組みづくり |
ナレッジベースは、FAQやマニュアル、問い合わせ対応履歴などをまとめ、必要な情報をすぐ確認できるようにすることで、業務を進めやすくします。
一方、ナレッジマネジメントは、そうした情報をどう集め、整理・更新・改善し、社内で活用していくかを考える取り組みです。
ナレッジベースを作るだけでは不十分で、情報を定期的に見直し、社員が使いやすい状態を保つナレッジマネジメントによって、継続的に業務に役立つ仕組みになります。
ナレッジベースの種類
一口に「ナレッジベース」といっても、どの情報をどう管理するかによって、適している型が変わります。
大きく分けると次の3種類があり、それぞれ得意とする用途が異なります。
- ストック型|マニュアルや規定を体系的に蓄積
- フロー型|日々の情報共有をスピーディーに行う
- FAQ・ヘルプデスク型|問い合わせ対応を効率化
ストック型|マニュアルや規定を体系的に蓄積
ストック型は、業務マニュアルや社内規定、議事録など、長期にわたって参照される情報を体系的に蓄積するタイプです。

情報を階層構造で整理できるため、「カテゴリ」「項目」「詳細」という形で体系的に管理しやすいのが特徴です。
内容の更新・修正もしやすいため、
- 業務マニュアルや規定類を一元管理したい場合
- 入社・異動のタイミングで参照頻度が高い情報を整理したい場合
- 部署をまたいで共通ルールを共有したい場合
など、wikiや文書管理システムがこのタイプの代表例です。
組織内で正式に共有すべき知識やルールを、必要なときにいつでも参照できる形で蓄積していくのに適しています。
フロー型|日々の情報共有をスピーディーに行う
フロー型は、チャットツールやグループウェアの掲示板機能のように、リアルタイム性の高い情報を時系列で共有するタイプです。

日々の業務連絡や簡単な質疑応答、素早い情報共有など、「情報の鮮度」が大事な場面で活用しやすいです。
たとえば、
- 業務連絡や質問、相談内容
- 会議前後の簡単な共有事項
- トラブルや変更点の速報
のようなケースであり、気軽に情報を流せる分、過去の情報が後から探しにくくなるという特徴もあります。
フロー型だけで運用すると、「以前どこかで共有されたはずの情報が見つからない」という状況が起きやすいため、ストック型と組み合わせて使うのが効果的です。
FAQ・ヘルプデスク型|問い合わせ対応を効率化
FAQ・ヘルプデスク型は、「よくある質問と回答」を一問一答形式でまとめるタイプです。

知りたいことを探しやすく、利用者が疑問をすばやく解決できる点が特徴です。
似たような問い合わせが何度も発生する業務で使いやすく、
- 社内ヘルプデスクへの問い合わせ対応
- 顧客サポート窓口でのよくある質問への回答
- システムやツールの使い方の案内
- 申請手続きや社内ルールの確認
- 新入社員や異動者からの基本的な質問への対応
のような場面に向いています。
質問と回答がセットで整理されているため、担当者以外でも対応しやすくなり、人によって回答内容が変わってしまうことを防ぎ、対応の質をそろえやすくなる点もメリットです。
最近では、生成AIと組み合わせて、登録されたFAQをもとに自動で回答を作る仕組みも広がっています。
FAQ型のナレッジベースを生成AIと組み合わせてさらに活用したいとお考えの方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
参照記事:生成AIを用いたFAQシステムの構築方法。精度を高める3つのポイントを解説
ナレッジベースを構築・活用するメリット
ナレッジベースを作って活用すると、情報を保管できるだけでなく日々の仕事を進めやすくなります。
ここでは、代表的な4つのメリットを紹介します。
- 情報を一元管理できる
- 業務代替性を高められる
- 経験差による対応品質のばらつきを抑えられる
- 情報を素早く閲覧できる
情報を一元管理できる
ナレッジベースを作るメリットは、社内のいろいろな場所に分かれていた情報を一か所にまとめられることです。
たとえば、
- 部署ごとのフォルダ
- 担当者のPC内
- チャットの過去ログ
- メールのやり取り
- 紙の資料や古いマニュアル
のような場所に情報が散らばっていると「資料がどこにあるかわからない」状態になってしまいます。
ナレッジベースで情報をまとめておけば、必要なときに誰でも探して確認しやすくなり、情報を探す時間が減るため、本来の仕事に集中できる時間も増えます。
特に、部署をまたぐ仕事や複数人が同じ情報を見る仕事では、一か所にまとめておくことによる効果が出やすくなります。
業務代替性を高められる
業務の経験やノウハウを一か所にまとめ、必要なときに検索・活用できるようにすることで、特定の担当者だけに頼らずに仕事を進めやすくなります。
たとえば、
- 担当者が休む
- 担当者が異動する
- 担当者が退職する
- 担当者が在宅勤務になる
といった場面で、別の人が対応する必要がある際に、必要な情報が担当者の頭の中や手元にしかないと、仕事が止まってしまうことがあります。
ナレッジベースに、業務の進め方や確認すべきポイント、過去の対応例などをまとめておけば、担当者がいないときでも別の人が一定の範囲まで対応しやすくなります。
また、引き継ぎのたびに一から説明する手間も減らせるため、担当者同士の情報共有もスムーズになります。
経験差による対応品質のばらつきを抑えられる
対応する人によって品質に差が出にくくなることも、ナレッジベースを活用するメリットです。
ベテラン社員が持つ
- 過去の失敗から学んだ対処法
- 顧客ごとの注意点
- 例外対応をするときの判断基準
- よくあるトラブルへの対応方法
- 作業時に見落としやすい確認ポイント
などの経験やノウハウは、本人の中に蓄積されていて、文章化されてないことがよくあります。
そこで、手順書やチェックリスト、参考資料としてナレッジベースに残しておけば、対応の質を落とさずに業務を進めることができます。
情報を素早く閲覧できる
顧客や社内からの問い合わせに答える際、資料を探すために相手を待たせる状況があると、対応が遅くなるだけでなく、相手に不安を与えてしまうこともあります。
ナレッジベースで情報を探しやすくしておくと、対応中でも必要な資料やFAQにすぐたどり着けます。
たとえば、
- よくある質問への回答
- 商品やサービスの説明資料
- 社内ルールや申請手順
- 過去の問い合わせ対応例
- トラブル時の対応方法
のような情報をすぐに確認でき、正確な回答をスムーズに返しやすくなります。
また、担当者が情報を探す時間を減らせるため、より多くの問い合わせに落ち着いて対応しやすくなることもメリットです。
社内データをナレッジベースと組み合わせてAIで活用する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
参照記事:ChatGPT×RAGで社内データを活用する5つの手順。精度を向上させる施策も解説
ナレッジベースを構築する3つの方法
ナレッジベースの作り方は、会社の規模や目的、社内で対応できる人や時間によって変わります。
まずは始めやすい方法から試すこともできますし、必要に応じて外部の専門会社に相談する方法もあります。
ここでは、代表的な3つの構築方法を紹介します。
- Word・Excelで簡易的に作成する
- ナレッジマネジメントツールを活用する
- 外部企業に構築・運用を委託する
Word・Excelで簡易的に作成する
最も始めやすい方法が、Googleドキュメント・Googleスプレッドシート・Word・Excelなどを使って作成する方法です。
専用ツールを用意する必要がないため、コストをかけずに情報整理を始められます。小規模な部署や、「まずは試しにナレッジベースを作ってみたい」という段階に向いている方法です。
たとえば、
- 質問
- 回答
- 担当部署
- 関連資料
- 最終更新日
のような項目を以下のようにGoogleスプレッドシートにまとめるだけでも、FAQ型のナレッジベースとして活用できます。

一方で、情報量が増えると、「必要な情報を探しにくくなる」「古い情報が残ったままになりやすい」などの注意点もあります。
まずは小さく始める方法として使い、運用に慣れてきたら専用ツールへの移行を検討するとよいでしょう。
ナレッジマネジメントツールを活用する
専用ツールを使う方法では、ナレッジベースの運用に必要な機能をまとめて使えます。
たとえば、
- 情報の登録・編集
- キーワード検索
- カテゴリ分けやタグ付け
- チーム内での共有
- 閲覧・編集権限の設定
のような機能を一つのツール上で使えるため、情報量が多い組織でも継続して運用しやすくなります。
特に、社内マニュアルやFAQ、過去の問い合わせ対応などをまとめて管理したい場合は、WordやExcelなどのオフィスツールよりも専用ツールのほうが向いています。
カテゴリ分けやタグ付けの仕組みがあるため、情報が増えても必要な情報を探しやすい状態を保ちやすいでしょう。
部門ごとに見せてよい情報が異なる場合でも、ツール上で管理できるため、確認や管理の手間を減らせます。
外部企業に構築・運用を委託する
外部企業に依頼する方法は、ナレッジベースを作るところから、社内で使える状態にするところまで支援してもらえる点が特徴です。
たとえば、
- 現在の業務課題の整理
- 情報のカテゴリ設計
- 運用ルールの作成
- ナレッジベース構築
- 導入後の更新体制づくり
などを専門的な知見をもとにサポートしてもらえるため、作って終わりではなく、実際に活用される状態を目指しやすくなります。
特に、社内に情報はあるものの、「何から整理すればよいかわからない」「どの情報を優先すべきか判断できない」という場合は、構築前の段階から外部企業に相談するのも一つの方法です。
社内データの整理・活用を本格的に進めるにあたって、何から手をつけるべきかを整理したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
参照記事:データ活用の現状と課題を解説。活用を進める上でのポイントと成功事例も紹介
また、リベルクラフトでは、社内に散在する情報を業務で活用できる状態へ整えるための支援を、課題の整理から実装・運用まで一貫して行っています。
情報の棚卸しやカテゴリ設計など、構築の前段階から伴走することも可能です。まずは以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
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ナレッジベースの構築・活用のポイント
ナレッジベースは、作り方や整理の仕方が合っていないと、「情報はあるのに検索しても見つからない」「見つかっても、内容が古く役に立たない」という状態になりやすいです。
現場で使いやすいナレッジベースを作るために、押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
- 利用者目線でナレッジを登録する
- キーワード検索のヒット率を高める
- 検索性と網羅性のバランスを取る
利用者目線でナレッジを登録する
ナレッジベースに情報を登録するときには、「使う人が探しやすい形で情報を整理する」という考え方が大切です。
登録する側の都合で情報を整理してしまうと、製品の正式名称で登録しても、現場では通称や略称で検索している場合、情報が見つからないことがあります。
そのため、登録する前には、
- 誰が使うのか
- どのような場面で使うのか
- どの言葉で検索しそうか
- どのくらい詳しい情報が必要か
などの点を確認しておく必要があります。
「自分たちにはわかっているから」という感覚だけで登録してしまうと、使う人にとって探しにくいナレッジベースになってしまいます。
現場の担当者が実際に使いそうな言葉や表現を意識して、検索されやすい言葉をタイトルや見出しに入れておくと、より使いやすくなるでしょう。
キーワード検索のヒット率を高める
利用者目線で情報を整理できたら、次に意識したいのが、検索されやすい言葉をしっかり入れておくことです。
実際の業務では、ひとつの情報に対して複数の呼ばれ方があることがよくあります。
たとえば、
- 正式名称
- 略称
- 旧製品名
- カテゴリ名
- 使い道を表す言葉
- 問い合わせ時によく使われる表現
のような言葉があり、これらをナレッジに含めておかないと、特定の言葉で検索したときにしか情報が見つからなくなってしまいます。
たとえば「勤怠修正の申請方法」という情報でも、利用者が「打刻ミスの直し方」「出勤時間の変更」「退勤時間の修正」「勤怠の訂正」といった言葉で検索する場合があります。
登録時にそれらの表現が入っていないと、必要な情報が検索に出てこない場合もあるため、登録したナレッジが、利用者の使う言葉できちんと見つかる状態になっているかを定期的に見直してみてください。
検索性と網羅性のバランスを取る
ナレッジは増やせば増やすほどよいわけではありません。
情報が少なすぎれば役に立たない一方、多すぎると検索結果が散らばり、利用者がどれを見ればよいか迷う状況が生まれます。
次のような軸で「どのように整理するか」を決めることが大切であり、FAQ・マニュアル・動画などを種類ごとにバラバラに置くのではなく、利用者が探す流れに沿って整理すると見つけやすくなります。
| 整理する軸 | 内容 |
|---|---|
| 製品軸 | どの製品・サービスに関する情報か |
| 業務軸 | どの業務の流れで使う情報か |
| 問い合わせ内容軸 | どんな質問や困りごとに対応する情報か |
| 重要度軸 | 急ぎで確認すべき情報か、よく見られる情報か |
こうした軸で分類しておくと、情報量が増えても目的の内容にたどり着きやすくなります。
また、整理のルールをあらかじめ決めておくことで、新しい情報を追加するときにも迷いにくくなります。
ナレッジベース構築・活用の企業事例
ここでは、実際にナレッジベースを構築・活用して成果を出している2社の事例を紹介します。それぞれの課題と取り組みの中に、自社で活用するヒントを見つけてください。
- 東京海上アシスタンス株式会社
- ニチバン株式会社
東京海上アシスタンス株式会社
| 項目 | コーポレート部門 | オペレーション部門 |
|---|---|---|
| 課題 | 業務が特定の担当者に頼りやすく、経験の差が影響しやすい | 情報の置き場所が複雑で、必要な情報やノウハウを探しにくい |
| 取り組み | 業務内容を洗い出し、マニュアルや手順書を整備 | まずSVに対象を絞り、マニュアル類や業務関連資料、周知事項などをナレッジベースに整理した |
| 成果 | 資料を一か所で確認しやすくなり、担当者が変わっても業務を進めやすくなった | 必要な情報をすぐに確認しやすくなり、対応品質の向上やFAQとしての活用につながった |
顧客のトラブルに対応するサービスを提供している東京海上アシスタンス株式会社では、社内の情報を整理し、必要なときに探しやすくする取り組みとして、ナレッジベースを活用しました。
もともと
- コーポレート部門:業務が特定の担当者に頼りやすく、担当者の不在時に仕事を進めにくい
- オペレーション部門:情報の置き場所が複雑で、必要な情報やノウハウをすぐに探せない
という課題がありました。
そこで、ファイルサーバーや社内ポータル、メール、個人PCなどに分かれていた情報を、ナレッジベースにまとめ、マニュアル類や業務関連資料、周知事項、作業メモなどを一か所で確認しやすくなりました。

その結果、コーポレート部門では、資料を一か所で確認しやすくなり、担当者が不在でも業務を進めやすく、経験差による品質のばらつきも抑えやすくなりました。
オペレーション部門では、必要な情報をすぐに見つけやすくなり、SVのスキル差を小さくしながら、FAQ活用や対応品質の向上にもつながっています。
ニチバン株式会社
文具・事務用品やヘルスケア、医薬品・医療機器など幅広い製品を展開するニチバン株式会社のお客様相談室では、年間約11,000件の問い合わせを7名で対応しています。
対象商品は全事業の全製品に及び、カタログだけで80冊以上あることから、必要な情報を探しにくいという課題がありました。
| 課題 | 古い製品の問い合わせが多い、担当者によって回答が異なる、製品が手元にないと回答できないなど |
| 取り組み | カタログやFAQを一元管理し、検索できるナレッジベースを導入。 |
| 成果 | 回答内容の統一、エスカレーションの減少、在宅勤務での対応が可能に |
そこで、カタログやFAQをまとめて管理し、検索できるナレッジベースを導入しました。

カタログを画面上で確認できるようにし、FAQでは製品の区分や名称、問い合わせ内容から絞り込める形にすることで、担当者が必要な情報を探しやすくなりました。
正式な製品名だけでなく、問い合わせで使われやすい言葉もキーワードとして登録したり、担当者が持っていたメモを分類し、FAQとして活用できるように整理しています。
その結果、製品が手元になくても画面上で確認できるようになり、在宅勤務での対応も可能になりました。担当者による回答の差も小さくなり、上位担当者へのエスカレーションの減少につながっています。
ナレッジベースを構築できるツール
ナレッジベースを作るためのツールは、大きく4つの種類に分けられます。
それぞれ向いている使い方や利用シーンが異なるため、自社の課題や社内での使い方に合ったものを選ぶことが大切です。
- データベース(知的情報検索型)
- グループウェア
- データマイニングツール
- 社内wiki
データベース(知的情報検索型)
知的情報検索型のデータベースは、大量の情報を保存しながら、ツールによっては、キーワードだけでなく、関連語や文脈を踏まえた検索に対応できます。

出典:kintone
たとえば、利用者が「ログインできない」と検索すると、「パスワード再設定」「アカウントロック」「認証メール未着」など、関連するFAQがまとめて表示されるイメージです。
通常のキーワード検索では見つけにくい問い合わせにも対応しやすく、FAQや問い合わせ対応に向いた機能を持つツールが多くあります。
実際の場面では
- 問い合わせ件数が多い
- 検索のしやすさを重視したい
- FAQを充実させたい
- 対応中にすばやく情報を確認したい
- 未解決の問い合わせをもとに改善したい
などに向いており、登録されたナレッジをもとに回答候補を自動で表示したり、未解決の問い合わせを分析してFAQを増やしたりできるものもあります。
コールセンターや顧客サポート窓口のように、対応中にすばやく情報を探す必要がある業務で特に使いやすいタイプです。
グループウェア
グループウェアは、社内全体の情報共有基盤として使えるタイプのツールです。
カレンダー・メール・チャット・ドキュメント管理などの機能と一体化しているため、日常の業務フローの中に情報共有の仕組みを組み込みやすい点が特徴です。

出典:ATD
たとえば、社内ポータルに業務マニュアルを掲載したり、部署ごとの共有フォルダに資料を整理したり、掲示板やチャットでお知らせを共有したりするイメージです。
実際の場面では
- すでに社内でグループウェアを使っている
- カレンダーやメールとあわせて情報を管理したい
- 社内ポータルや掲示板で情報を共有したい
などに向いており、専用のナレッジ管理ツールを新たに導入しなくても、すでに使っている社内システムを活用して情報共有を始めやすい点がメリットです。
データマイニングツール
データマイニングツールは、蓄積されたデータの中から、業務に活かすことのできるパターンや傾向を発見・抽出するためのツールです。

出典:Tableau
たとえば、問い合わせ履歴を分析して「同じ質問が何度も発生している」「特定のFAQだけ閲覧数が多い」「ある業務フローでつまずく人が多い」といった傾向を見つけるイメージです。
実際の場面では
- 問い合わせ履歴を分析したい
- よく見られている情報を把握したい
- 繰り返し発生している課題を見つけたい
などに向いており、ナレッジを保存するためのツールというよりも、蓄積された情報や利用状況を分析し、改善点を見つけるために使われることが多いです。
すでにある程度のナレッジベースが整備されており、「どこに課題があるか」「どの情報が活用されていないか」を継続的に分析・改善したい段階の組織に向いています。
社内wiki
社内wikiは、担当者が自由に情報を書き込み・編集・整理できる柔軟性が特徴のツールです。

出典:notion
たとえば、業務手順や社内ルール、よくある質問ごとのメモなどを記事として作成し、関連するページ同士をリンクでつなげながら情報を蓄積していくイメージです。
実際の場面では
- チーム内のノウハウを蓄積したい
- 業務手順や社内ルールをまとめたい
- 誰でも情報を更新できる環境を作りたい
などに向いており、操作が比較的シンプルで、エンジニアでなくても情報を登録・更新しやすいため、チームや部署単位での情報共有に向いています。
ただし、自由度が高い分、登録ルールやページ構成を決めておき、「誰でも書ける」環境と「整理された状態を保つ」運用設計をセットで考えておく必要があります。
ナレッジベースの構築は「リベルクラフト」
ここまで、ナレッジベースの概念から種類・メリット・構築方法・活用のポイント・企業事例・ツールまで幅広く解説してきました。
ナレッジベースで成果を出すには、ツールを入れるだけでは不十分です。
「どの情報を、どう整理し、誰が、どんな場面で使うか」という設計が伴ってはじめて、現場で機能する仕組みになります。
リベルクラフトでは、社内に蓄積されたデータを「業務で使える状態」に整えたうえでAIで活用するための支援を、課題の整理から運用定着まで一貫して提供しています。

さらに、構築後の運用設計まで含めて支援するため、「入れたけれど使われない」という状態を防ぐことができます。
社内データを、日々の判断や対応に役立てられるようにしたいとお考えの企業様は、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
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この記事を書いた人
慶應義塾大学で金融工学を専攻。 卒業後はスタートアップのデータサイエンティストとして、AI・データ活用コンサルティング事業などに従事。 その後、株式会社セブン&アイ・ホールディングスにて、小売・物流事業におけるAI・データ活用の推進に貢献。 株式会社リベルクラフトを設立し、AIやデータサイエンスなどデータ活用領域に関する受託開発・コンサルティングや法人向けトレーニング、教育事業を展開。



